2014年2月25日火曜日

湿布の適用と東洋医学的考え方

こんにちは。川上です。
肩こりや膝痛などで湿布を使用されている方は多いと思います。
僕も患者さんから「湿布を貼ったほうがいいですか?」などと質問を受けることが多々あります。

湿布の種類はさまざまで大きく分類して温める湿布(温湿布)、冷やす湿布(冷湿布)の2種類があります。


この2種類の湿布をどのように使い分ければいいでしょうか。
怪我や疾患は時期によって分類されています。急性期、慢性期、回復期といった感じです。
この時期がとても重要になります。 まず、急性期は筋肉や腱などが炎症を起こしていて、熱を持ちやすい時期です。

体の反応として外からの障害(転倒、過度な動作など)に対して、抵抗しようと様々な分泌物、ホルモンなどを分泌して、炎症という形で体を守っているのです。
この時期は熱をとってあげると痛みも楽になり、腫れなども引いてきますので、もちろん冷湿布を使う時期です。

ですが、僕は余り湿布をオススメしたくありません。
なぜかと言うと、体の抵抗で炎症反応を起こしているのですから、冷湿布でその炎症反応の阻害をしてしまうことになるからです。
炎症反応は体の自然治癒力の1つでそれを阻害してしまうと治りが遅くなったり、治っても寒くなるとまた痛んだりします。
治れば良いというものではないのです。治し方がとても重要です。


では、急性期はどうしたらいいのか。 当院では熱を取る鍼をして、熱の発散を促すお灸をします。少し熱い所までお灸を燃やし、お灸をした皮膚表面に、じとっと汗をかく様にします。
この汗と一緒に内部の熱を取り、巡りをよくするのです。


ですが、痛くて熱感が強いのに「鍼と灸で熱を取る治療をしましたから湿布は絶対に貼らないでで下さい」とは言えません。 なので急性期の患者さんには「鍼と灸で熱を取る治療をしましたから湿布を貼ることはオススメしませんが、どうしても患部がドキドキしたり痛みで寝れないなどと言う時に楽になるようなら貼ってもかまいません」と言います。
根本の治癒にはならないという事を伝えます。それでも一時的に痛みを抑えたり出来るのはとても必要なな事だと思います。


東洋医学では体の反応や自然治癒力を高める事に重きを置きますからより体が良い方向に向かう手助けをします。 結果的に症状の改善、体質改善があるのです。 1回、2回で症状がなくなると言う考え方より、少しずつ良い方向に向かっていこう、と言う心持でご理解頂ければ幸いです。