2012年1月25日水曜日

足の冷え

ここ数日で気温がかなり下がってきました。
患者さんの多くが、身体を冷えを訴えます。
「冷えは足元から」というように、足が冷えてつらいと方が多くいます。

身体は常に熱のバランスを取っています。
足が冷える人は、足に巡らない陽気が、上半身に停滞します。
いわゆる冷えのぼせの状態です。「上熱下寒」と言います。
熱が胸部に停滞する人は、寝つきが悪くなります。
ひどい人は、ほとんど眠れません。
また動悸、息苦しさ、口渇、頭痛、喉の痛み等々を伴います。
上半身に余っている陽気を、下半身の方へ巡らせば症状が治まります。
そこで、下半身に巡らない陽気を鍼灸でもって上から下に引き下げるわけです。

全身的に陽気が足らない人がいます。陽が虚するとして、「陽虚」と言う状態です。
このような人は、手足が冷え、寒くて寒くて仕方がありません。
この場合は、身体全体の陽気を高める治療を行っていきます。

足が冷えると言っても、原因はいろいろあります。
身体は人それぞれで違いますので、その症状が起きている原因も異なってきます。
治療では、まず患者さんのお話にしっかりと耳を傾け、脉を拝見させていただきます。
また、「腹診」といってお腹の皮膚の状態を確認していきます。
その他全身の状態を把握し、確かな原因を導きだし、
その病の根本である「五臓六腑の気の不調和」を鍼灸によって正していくわけです。


投稿者 中村